2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

大江健三郎を読むために/6つのメモ:『取り替え子(チェンジリング)』

取り替え子 (講談社文庫)作者: 大江健三郎,沼野充義出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/04/15メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 15回この商品を含むブログ (49件) を見る 1.『取り替え子』は、大江健三郎を模した作家、長江古義人を中心に書かれているも…

白石晃士『オカルト』

206日前にメモしたままほったらかしにされていたもの。オカルト [DVD]出版社/メーカー: クリエイティブアクザ発売日: 2009/07/24メディア: DVD クリック: 69回この商品を含むブログ (17件) を見る ローマ帝国で最初にキリスト教徒になったコンスタンティヌス…

第一幕 子どものころの少女と大人になった男の子の話が、ふたつの線路に挟まれることでようやくはじまる。時間は西暦2014年から、暑さと光の重みを勘違いするまで。

4年ぶりに歩いたすごく赤い草むらのわきの踏切で、「映画が撮れそうなんだよ」 とうれしそうなことを言うから、わたしはアカリが映画監督になってわたしがその映画を見るんだと思って、そうなればなにもかもがずっと忘れられずに世界に残ると思って、わたし…

ベンヤミンの歴史と大江健三郎の宇宙船

注:後日、新しくよいものを書きました。ヴァルター・ベンヤミン「歴史の概念について」 - describe, ベンヤミン・コレクション〈1〉近代の意味 (ちくま学芸文庫) 作者: ヴァルターベンヤミン,Walter Benjamin,浅井健二郎,久保哲司 出版社/メーカー: 筑摩書房…

公園

電車に乗っていたことだけが共通するとはいえ、時間も場所もまったく違うはずのぼくの前に、同じ出来事が生じるのだった。それは、一方が2012年、もう一方が2009年に、東京と愛媛の電車の座席にすわっていた両方のぼくの前にあらわれた。 夕方の4時半ごろ、…