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ホームセンターにいるぼくは、床に落ちたキャラメルの塊を踏んだらしくて、足のうらにキャラメルが付いている。あたりを見まわすと、ぼくと同じようにキャラメルを踏んでしまった人がいたらしく、床には、大きな塊とは別に、点々と、小さなキャラメルの塊が落ちている。
辿っていくと、ホームセンターのフロアの角の壁にある洗面所の隣で、男の子がキャラメルの箱をもって立っている。ぼくは洗面所で足を洗って、後ろを振り向いた。商品のベッドの向こう側に女の人がいて、こちら側の男の子に、キャラメルの箱について怒っている。「お兄ちゃんのそばにいなさい!」ベッドの脇に男の人が立っている。ベッドの右半分にベビーカーが乗っていて、そこには赤ちゃんが乗っている。
しばらくして、女の人がバビーカーを覗き込み、赤ちゃんに向かっていう。「ひろき、かわいそうだけれどごめんね」
そして三人ともが店を出て行く。店の外では屋台で金魚が売られている。ぼくは今さっきまで目の前にいた、ぼくの現実とは別のありえた両親と、ぼくが死んだから妹の代わりに生まれたらしい弟の姿を思いだしながら、目の前に捨てられたままの自分の生まれ変わりを見つめていた。